概要

デバイス選択からシステム レベルの消費電力バジェット配分や熱設計など、アダプティブ SoC および FPGA を設計するうえでさまざまな判断が必要になるときに、消費電力の見積もりが非常に重要になります。長年、FPGA の主な消費電力見積もりツールとして Xilinx Power Estimator (XPE) が使用されてきましたが、アダプティブ SoC および FPGA のサイズや複雑性が増し、新しく複雑なハードウェア IP ブロックを多数含むデザインに対応するために、電力見積もり機能を強化する必要がありました。

この Power Design Manager (PDM) は、AMD Versal™、UltraScale+™ デバイス、Kria™ SOM 製品に対して正確かつ安定した消費電力の見積りが可能な次世代プラットフォームです。PDM は、AMD アダプティブ SoC/FPGA 向けに推奨される消費電力見積もりツールであり、AMD は今後すべての Versal デザインに PDM を使用することを強く推奨します。​

機能

Power Design Manager の機能

  • Versal および UltraScale+ ポートフォリオに対して応答性と安定性が向上
  • AMD Vivado™ ツールによる電力解析のための電力制約を生成する新しい Export XDC ウィザード
  • Windows® および Linux® で利用可能
  • AMD Versal デバイスのハード IP ブロックを設定するウィザード:
    • DDR メモリ コントローラー (DDRMC)
    • 600G チャネライズド マルチレート イーサネット サブシステム (DCMAC)
    • マルチレート イーサネット MAC (MRMAC)
    • FEC 付き 600G Interlaken (ILKN)
    • 400G High-Speed Crypto (HSC) エンジン
    • DMA/ブリッジおよび CCI (CPM) を備えた PCIe® および PCIe Base Revision 5.0 (CPM5)

移行

XPE から PDM へ簡単に移行

2023.1 リリース以降、Versal デバイスの消費電力評価をサポートするツールは、PDM (Power Design Manager) のみとなります。PDM は、AMD が提供する最新の消費電力見積もりツールです。AMD のアダプティブ SoC および FPGA の既存の XPE 情報を PDM へシームレスに移行できます。PDM でプロジェクトを作成する際に [Import XPE File] オプションを選択するだけで完了です。リソースの使用状況やトグル レートなど、XPE のプロジェクト データはすべて PDM プロジェクトに直接移行されます。

PDM をダウンロードして、Versal および UltraScale+ デバイスの消費電力見積もりにご活用ください。

XPE は、Versal ポートフォリオ以前のすべての製品ファミリを引き続きサポートします。

サポートする製品

製品 Power Design Manager (PDM) XPE (Xilinx Power Estimator)
Kria SOM 製品ポートフォリオ
Kria K24 SOM ✓  
Kria K26 SOM ✓  
Kria KV260 ビジョン AI スターター キット ✓  
Kria KR260 ロボティクス スターター キット ✓  
Kria KD240 ドライブ スターター キット ✓  
Versal ポートフォリオ
Versal AI エッジ シリーズ ✓  
Versal AI コア シリーズ ✓  
Versal プライム シリーズ ✓  
Versal プレミアム シリーズ ✓  
Versal HBM シリーズ ✓  
UltraScale+ 製品ポートフォリオ 
Artix™ UltraScale+ FPGA ✓ ✓
Kintex™ UltraScale+ FPGA ✓ ✓
Virtex™ UltraScale+ FPGA ✓ ✓
Zynq™ UltraScale+ MPSoC ✓ ✓
Zynq UltraScale+ RFSoC  ✓ ✓
UltraScale™ 製品ポートフォリオ 
Virtex UltraScale FPGA   ✓
Kintex UltraScale FPGA   ✓
FPGA ポートフォリオ
Virtex FPGA   ✓
Kintex FPGA   ✓
Artix FPGA   ✓
Spartan™ FPGA   ✓
Zynq SoC   ✓

サポートされる製品

PDM は UltraScale+、Versal、Kria SOM デバイスをサポート

最新情報

Power Design Manager 2024.2 リリースのハイライト

Power Design Manager (PDM) は、すべての AMD Versal™ および UltraScale+™ デバイスの消費電力見積もりをサポートします。

Power Design Manager 2024.2 では、次のデバイスに対するプロダクション レベルのサポートが追加されます。

  • 航空宇宙グレードの Versal AI エッジ シリーズ XQRVE2302 デバイス
  • オートモーティブ グレードの Versal AI エッジ シリーズ XAVE2002、XAVE2102、XAVE2202、XAVE2302、XAVE2602、および XAVE2802 デバイス

主な追加機能

  • UltraScale+ ファミリ向けに Power Design Manager がアップデート
    • 電源シーケンス
    • 電源レールの統合
    • 動的デカップリング キャパシタ
  • Versal ポートフォリオ向けの Power Design Manager 機能強化

 XPE ユーザー: 既存の XPE から PDM へ簡単に移行できるため、機能強化されたウィザードや拡張された OS サポートを最大限に活用できます。

Power Design Manager 2024.1 リリースのハイライト

  • AMD Zynq™ RFSoC デバイスのサポートが追加され、すべての UltraScale+ デバイスがサポートされるようになった
  • ビルトインのグラフ機能を使用して、異なる条件での解析や電力カテゴリ別の視覚化が可能

Power Design Manager 2023.2 リリースのハイライト

  • Kria K24 プロダクション SOM および UltraScale+ デバイスのサポートを追加
  • スプレッドシート形式の編集機能
  • PDM データを読み取り可能なフォーマットにエクスポート可能
  • Power Design Manager 2023.2.2 には、Versal AI エッジ XCVE2002 および XCVE2102 デバイスに関するプロダクション レベルの特性評価データのアップデートが含まれます。

Power Design Manager 2023.1 リリースのハイライト

  • Versal™ HBM のサポート (HBMMC IP ウィザード)
  • 新しい PL 電力管理ダッシュボード
  • 次のデバイスに対するプロダクション レベルの消費電力データの更新:
    • Versal プレミアム: XCVP1052、XCVP1102、XCVP1402、XCVP1502、XCVP1702、XCVP1802
    • Versal プライム: XCVM2302、XCVM2902
  • 次このデバイスに対するプリプロダクション レベルの消費電力データの更新:
    • Versal AI エッジ: XCVE2802
    • Versal AI コア: XCVC2802
  • 新しい Q グレード Versal プライム デバイス XQVM1502 をサポート

最新の PDM 改訂履歴は、こちらのアンサー レコード (改訂履歴 AR) を参照してください。

ダウンロード

PDM のダウンロードおよびその他のリソースへのアクセス

Power Design Manager (PDM) 2024.2 は、次の製品をサポートするスタンドアロンの消費電力見積りツールです。

  • Versal™ アダプティブ SoC: AI コア | プライム | プレミアム | AI エッジ | HBM シリーズ
  • UltraScale+™ デバイス: Virtex™ | Kintex™ | Artix™ 
  • Zynq™ UltraScale+ MPSoC/RFSoC 
  • Kria™ SOM: K24 | K26 | KV260 スターター キット

消費電力を正確に見積もるためには、常に最新バージョンをご利用ください。

ダウンロード センターから PDM をダウンロード

サポートとリソース